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【税務】技術移転契約に伴う必要書類とその他の留意点

2024/02/19

技術移転とは、技術を所有する当事者が、その技術の所有権または使用権を第三者に移転する取引を意味する。
技術移転の主な対象は、技術ノウハウ・技術プロセス・コンピュータソフトウェア・データ情報・生産合理化ソリューション・技術革新・これらに関連する機械設備等である。これらは主に無形資産であるため、その形式や価値を具体的に把握するのは難しく、それが理由で税務局等の管轄機関は厳格に内容を調査している。
企業は、法令上と実務上の観点の両方を注視し、技術移転費用が法人税上の損金算入とみなされるように下記の必要書類を準備する必要があるが、多くの外国企業が税務調査等で書類不備の指摘を受けている。本ニュースでは、改めて必要書類とその他の留意点について述べる。

<必要書類>
①技術移転契約書:技術移転の内容を詳細に記載する必要がある。特に移転する技術の内容、移転時期、移転価格の計算方法等を明確に記載する。
②規制に基づく技術移転の登録証明書。
2018年7月1日以降に発生した契約は、移転登録証明書を申請するために科学技術省に登録する必要があり、登録期間は契約締結日から90日間である。2018年7月1日以前に発生した契約については、更新時に新たに登録を行う。
③技術移転価格計算表、請求書およびインボイス
④銀行による技術移転費用の支払書類
⑤その他の書類:
– 技術移転の進捗状況に関する報告書類(作業内容や実施者等が記載された書類)
– 類似企業と比較した移転価格の市場調査資料等、技術移転価格の妥当性を判断するための資料
– 両当事者間の技術移転価格決定が、グループ企業間の共通方針に従って一貫して適用されていることを証明する文書(グループ企業間で締結された同様の技術移転契約書や技術移転価格が記載された親会社の財務規定等)

上記の項目の書類は、法令上明確に規定されてはいないものの、多くの税務調査でベトナム企業に提出を要求している書類である。特に税務局が確認するのは、技術移転価格が市場価格に比べて不合理で高すぎる場合である。

<その他の留意点>
(1)2017年の技術移転法では、関連当事者間で移転される技術移転価格は、税務局の要請に応じて価格監査を受けなければならないと明確に規定されている。この監査は技術評価を通じて行われる。一方で、税務局がいつ監査を要求するかについては明確にされていない。
実務上、弊社のお客さまにおいて、税務局から監査を求められた企業はない。 弊社の見解では、監査を要求されなかった理由は、企業が上記(1)から(5)までの書類をすべて準備できていたためであると思料する。
(2)外国からベトナムへの技術移転費用は外国契約者税の申告・納税の対象となる。法人税率は10%であり、VATは発生しない(技術移転にはVATが課されない)。企業は、技術移転費用の支払日から10日以内に外国契約者税を申告・納税する必要がある。また、ベトナムでの技術移転に関連して実務を行う外国人の出向者がいる場合、出向者がベトナムにいる間の給与や関連費用について個人所得税が発生する。
(3)上記のすべての書類が日本語や英語等のベトナム語以外の場合、税務局の検査・監査に備えてベトナム語に翻訳し、会社印を押印した状態で原本と共に保管する必要がある。

以上が、技術移転契約に関する必要書類とその他の留意点である。企業は改めて各契約の書類等をご確認いただき、不備がある場合は、書類の追加・作成等を実施いただく必要がある。

参考法令
– 技術移転法 2017
– 政令 76/2018/ND-CP(2017 年技術移転法に関する)
– 法人税に関する通達78/2014/TT-BTC
– 関連取引に関する政令 132/2020/ND-CP
– 外国契約者税に関する通達 103/2014/TT-BTC