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【労務】外国人労働者の「社内異動」勤務形態に関する労働許可証の最新動向(2025年10月2日付ニュースの続報)
2025/10/16
2025年10月2日付の労務ニュースで報じたとおり、ベトナム企業が「社内異動」という勤務形態で労働許可証を取得している外国人労働者と労働契約を締結し、給与を支払っている場合、政令第219/2025/ND-CP号の趣旨に照らして、法令に適合しないとみなされる可能性がある。この場合、当該外国人労働者に支払う給与費用が法人税の損金として認められないリスクがある。逆に、ベトナム企業が外国人労働者と労働契約を締結し、給与経費を法人税上の損金算入としたい場合には、「労働契約の履行」という勤務形態の労働許可証を取得する必要がある。
しかし、最新の情報によると、財務省が公表した新しい法人税法の施行政令の草案(※現時点では未施行)において、次のような内容が含まれている。「労働者の給与・賞与に関する支給条件や金額が、外国企業がベトナムの商業拠点に社内異動者を派遣する旨を定めた正式な文書(以下「任命状」)に明記されている場合、その給与・賞与は法人税の損金算入として認められる」つまり、法人税の観点からは、「社内異動」勤務形態の外国人労働者についても、この「任命状」が適切に発行されている場合には、ベトナム企業側が外国人労働者と労働契約を締結しなくても給与費用を損金算入できる可能性がある。この場合、労働契約を締結しないため、ベトナム企業は引き続き「社内異動」勤務形態の労働許可証を申請・維持することができる見込みである。
現時点では、法人税法の施行細則に関する政令について、正式な公布および施行時期に関する情報はまだ発表されていない。
しかし、法人税法第67/2025/QH15号が2025年10月1日よりすでに施行されていることを踏まえると、この政令は2025年10月中、遅くとも年内には公布・施行される可能性が高いと考えられる。
上記の草案の内容を踏まえ、現在「社内異動」という勤務形態の労働許可証を保有する外国人労働者とベトナム企業側が労働契約を締結しているケースに対し、以下のいずれかの選択肢の検討が推奨される。
選択肢1:
法人税法の施行に関する政令が正式に公布されるまで待つ。公布後に内容を確認したうえで、「労働契約の履行」という勤務形態の労働許可証を申請すべきかどうか検討する。
選択肢2:
法人税法の政令公布を待たずに、現時点で「労働契約の履行」勤務形態の労働許可証を申請し、あわせてベトナムの社会保険および健康保険への加入手続きを行う。
今後、新たな関連法令や実務上の運用が公表された場合には、次回以降のニュースレターにて引き続き情報を更新する。
参考文献:
・法人税法施行に関する政令(草案)
・2025年法人税法
・政令第219/2025/ND-CP号
・https://baochinhphu.vn/co-ky-hop-dong-voi-lao-dong-nuoc-ngoai-di-chuyen-noi-bo-dn-102250911105951088.htm


