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【税務】不正インボイス使用者リスト公開制度の導入

2025/08/28

2025年8月6日、税務局は「電子インボイスおよび電子証憑の管理手続き」に関する決定2799/QD-CTを施行した。本決定の重要なポイントは、政令 126/2020/ND-CP第 29 条の規定により、不正にインボイスを使用した納税者リストを公開する仕組みを導入した点である。この規定は、電子インボイスの利用における透明性を高め、企業が安心して取引できる環境を整えることを狙いとしている。
本決定の第11条に、不正にインボイスを使用した納税者リストを公開する手続きを2つのステップが規定された。

ステップ1:違法インボイスのデータベース化
電子インボイス・電子証憑システムには、違法インボイスの一覧を自動的に更新する機能が備わっており、以下のケースに適用される。
・電子インボイスの発行停止命令を受けた期間に電子インボイスを発行した納税者
・その他法令で違法インボイスと判断されるケース
自動更新機能により、税務管理システムからのデータが電子インボイス・電子証憑システムに同期されていない場合でも、違法インボイスに関する情報が迅速かつ確実に表示されるようになっている。
また、税務局の調査や権限を持つ機関により違法インボイスが認定された場合、その情報は速やかに「違法インボイス一覧」に反映される。

ステップ2:不正使用者リストを公開
電子インボイス・電子証憑システムにより自動的に、違法インボイス一覧の情報からインボイスを不正に使用した納税者リストが作成される。税務当局などの権限を有する機関が、違法インボイスを使用する納税者と判断すればすぐに、当該納税者の情報が電子インボイス・電子証憑ポータル上のインボイスを不正に使用した納税者リストに記載される。
税務局の管理部門はインボイスを不正に使用した納税者リストを作成し、部門責任者および税務局の指導者の承認を受けた上で、電子インボイス・電子証憑ポータル上で公表する。これにより、他の事業者が「誰が不正使用者なのか」を確認できるようになる。
企業においては、今一度、自社の電子インボイス運用や内部チェック体制を点検することを推奨する。

参考文献:
・2025年8月6日付け決定第2799/QD-CT号
・2020年10月19日付け政令第123/2020/ND-CP号
・2025年3月20日付け政令第70/2025/ND-CP号