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【労務】電子労働契約の締結および履行に関する政令案

2025/11/13

2021年1月1日に施行された現行の労働法に基づき、労働契約はデータメッセージ形式による電子的方法を通じて締結することができ、書面による契約と同等の法的効力を有するものとされている(以下「電子労働契約」)。これにより、特に多数の労働者を雇用する企業において、契約締結手続きの柔軟性が高まった。契約書の作成・承認・管理・保管に要する無駄が削減され、企業の生産性やガバナンスの向上、労働契約情報の安全性・機密性の確保につながっている。

一方で、電子労働契約の実務運用においては、契約の修正や終了の際の具体的な手続きが未整備であり、契約の有効要件や第三者との取引における法的効力の承認・利用などに関する規定が不足している。そのため、電子労働契約の普及は思うように進んでいない。

こうした現状を踏まえ、将来的に電子契約を活用した労働契約の締結を推進することを目的に、内務省は、「電子労働契約の締結および履行に関する政令案」(以下「本政令案」をいう)を策定した。

本政令案の主な内容は以下のとおりである。
1. 雇用者、労働者、電子労働契約締結・履行ソフトウェアを提供する企業・個人など、電子労働契約の締結および履行に関与する主体(いわゆる「eContract提供者」)に関する規定
2. 電子署名認証事業者が発行する合法的な電子署名の利用、契約ごとに付与される個別の識別番号(ID)を用いた識別など、契約締結の条件および方法に関する規定
3. 電子労働契約の効力発生時点に関する規定
4. 電子労働契約の修正・補足・履行停止・終了に関する規定

現在、本政令案は関係機関および組織からの意見募集段階である。今後、政令が正式に公布された際には、改めて最新情報をお知らせする。

 

参考文献:
https://d.bmb.jp/9/284/815/14988