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【労務】2025年8月7日施行 労働許可証免除制度の主な改正ポイント

2025/08/28

2025年8月7日、政府は外国人労働者に関する制度を全面的に刷新する政令第219/2025/ND-CP(以下「政令219」)を施行した。労働許可証の免除対象となる外国人労働者に関する手続きや条件が大きく見直されている。

1.現行制度の整理
旧政令では、労働許可証の免除対象の外国人労働者に対しては、以下のいずれかの手続きを実施することが定められていた。
i) 労働許可証免除確認書の発行申請
ii) 免除対象である旨の通知を所轄機関へ提出
政令219では、この旧政令を維持しつつ、詳細の手続きが大きく見直された。主な変更ポイントは以下の通りである。

2.更新・再発行手続きの明確化
これまで労働許可証の免除申請は「新規」のみ規定されていたが、政令219により「更新」「再発行」の手続きが新設された。外国人労働者を継続して雇用する場合の事務手続きが容易となり、企業側の管理負担は軽減される。

3. 年間90日未満の短期滞在勤務者のルール変更
従来は外国人労働者が労働許可証免除対象となるには「30日以内かつ年間3回以内」という複雑な条件があったが、「年間90日未満」という基準に一本化された。外国人が短期的に複数回来越するケースでも、企業はシンプルな基準で対応できるようになった。

区分→旧規定(政令152/2020、政令20/2023)→新規定(政令219/2025)
基準→30日未満 かつ 年3回以内入国→年間90日未満
起算点→不明確(実務上は暦年)→暦年(1月1日~12月31日)
手続き→(共通)免除申請は不要だが、勤務開始3営業日前までに「通知」が必要

4.特定のケースでは「通知のみ」で足りることに
労働許可証の免除申請は不要となり、当局への「通知のみ」で足りるケースが法令上明確になった。
以下がよく発生すると想定されるケースである。
・ベトナム人と結婚し、ベトナムに居住している外国人
・ベトナム国内の専門家では対応困難な高度な技術トラブルの解決のため入国する外国人(3ヶ月未満)
いずれの場合も、勤務予定日の少なくとも3営業日前までに当局への通知が必要となる。
各企業は、自社で雇用している労働許可証の免除対象の外国人労働者について、改めて適用ルールを確認することが望ましい。また、新規定の解釈や実務運用は地方当局によって異なる可能性があるため、事前に所轄機関へ確認することが実務上のリスクを回避する上で重要である。

 

参考文献:
・政令152/2020/ND-CP号
・ 政令70/2023/ND-CP号
・ 政令219/2025/ND-CP号