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【税務】新設中小企業の法人税免除と全企業の登録料廃止
2025/08/14
2025年5月17日、国会は「民間経済の発展促進」を目的とする決議第198/2025/QH15号を承認・施行した。本決議は、企業や個人事業主などに向けた特別な仕組みや税制優遇を定めており、創業初期の企業の資金確保や競争力強化、既存企業の負担軽減による成長基盤の構築が狙いとされる。中小企業やスタートアップにとっては、経費削減につながる措置が多く、ビジネス環境の改善が期待できる。以下に主な内容をまとめる。
1.中小企業に対する法人税免除
本決議により、初めて企業登録証明書(ERC)が発行された日から3年間、法人税が免除される(第10条第4項)。これにより、創業直後にかかる資金的な負担を大幅に軽減し、事業投資や人材確保に資金を回しやすくなる。
この優遇措置は、国内企業と外国企業のいずれにも適用され、政令第80/2021/ND-CP第II章で定義される中小企業が対象である。
中小企業とは、零細企業、小企業および中企業を含み、農林水産業、工業・建設業、商業・サービス業の分野ごとに、年間平均の社会保険加入労働者数が200人以下で、かつ以下のいずれかの基準を満たすものをいう。
・総資本金が1,000億VND以下
・前年度の総売上高が3,000億VND以下
2.事業登録料の廃止
2026年1月1日以降、全企業を対象に事業登録料(事業ライセンス税)の徴収が廃止される(第10条第7項および2条)。
この廃止は、企業設立や事業維持に関する固定的なコストをなくすことで、長期的な市場参入を促進し、民間経済の活力向上を図るものである。
3.その他の支援策
本決議第10条には、その他の支援政策として、革新的企業、中小事業者、営業を行う個人事業者への支援策も盛り込まれており、以下のようなものがある。
・大企業が中小企業向けに行う人材育成
・再教育のための費用について、特例として法人税計算上損金に算入できる。
・国家機関の再編に伴う各種書類の再交付手数料を免除する。
本決議は、多くの中小企業既存事業者まで幅広く恩恵をもたらす内容となっている。
支援策を十分に活用できるように、自社が対象条件を満たすかを早期に確認することが重要である。
参考文献:
・2025年5月17日付の国会決議第198/2025/QH15
・2021年8月26日付の政令第80/2021/ND-CP


