Newsニュース

新着法令情報

【労務】外国人労働者に関する新たな政令案を策定中

2025/05/15

現在、ベトナム内務省は「ベトナムで勤務する外国人労働者に関する政令案」(以下「本政令案」)の策定を進めている。本政令案では、外国人労働者に対する労働許可証(以下「WP」)及び労働許可証免許(以下「WPE」)に関する申請条件や手続きの規定が見直されており、今後、政府により審議・決議が行われる予定である。
以下は、特に注目すべき改正案のポイントである。

1) WP申請手続きの簡素化
現行制度では、WP取得のために3段階の手続きが必要とされる:
■ ステップ1:外国人労働者の採用が見込まれる職位のベトナム人労働者の募集
■ ステップ2:外国人労働者使用計画を確定する
■ ステップ3:WPの発行申請
これに対し、本政令案ではステップ1を廃止し、ステップ2と3を統合することで、申請手続きを1段階に簡素化することが提案されている。これにより、処理期間の短縮および企業の事務負担の軽減が期待できる。

2) WPEに関する手続きの整備
現行の政令には、パスポート番号や勤務地の変更等に伴うWPEの再発行・延長・取消に関する手続きが明記されておらず、企業にとって行政手続き上の負担となっている。今回の政令案は、これらに関する手続きを新たに規定し、透明性と利便性の向上を図る内容となっている。

3) WP申請書類の提出期限の見直し
本政令案では、WP申請書類は、労働者が勤務開始予定日の30日前から10日前までの間に提出する必要がある。一方、現行制度では「勤務開始予定日の少なくとも15日前までに提出」と規定されている。今回の改正は、手続きの簡素化と実務との整合性を図る動きとなっている。

本政令案は、外国人労働者に関する行政手続きを大幅に合理化し、企業の実務負担を軽減することを目的とした包括的な改革と位置づけられる。ただし、現時点ではまだ意見募集段階にあり、今後内容が変更される可能性もある。
今後新たな情報が公表された際にはニュースレターで改めて情報を共有する。

 

参考文献:
内務省公開「ベトナムで勤務する外国人労働者に関する政令案」
https://d.bmb.jp/9/284/224/14988