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【企業】2025年7月1日からハノイ市での労働組合費納付ルールが変更に
2025/07/17
2025年6月30日、ハノイ市労働連盟は同市に所在する全ての企業を対象に、労働組合関連費用の納付方法に関する新たなガイドライン(第30/HD-LDLD号)を公布した。納付対象、納付先、返還の仕組みなどが明確に定められた新ルールは、2025年7月1日より適用となる。詳細を以下の通りまとめる。
1. 対象となる企業
まず、今回のガイドラインでは、ハノイ市内で活動するすべての企業が対象とされている。企業が労働組合を設立しているかどうかによって、納付すべき項目が異なる点がポイントである。
労働組合の設立状況 | 納付が必要な費用 |
労働組合あり | 組合費+組合員費 |
労働組合なし | 組合費のみ |
2. 納付方法
(1)組合費
企業は、労働者の賃金総額の2%を「組合費」として納付する義務がある。
振込先はベトナム労働総連盟の指定口座のいずれかで、以下の銀行が指定されている。
・Vietinbank
・BIDV
・Agribank
また、振込後の資金は以下のように処理される。
状況 | 処理内容 |
労働組合あり | 振込後24時間以内に75%が当該労働組合に返還される。 |
労働組合なし | 振込後24時間以内に75%がハノイ市労働連盟へ送金され管理される。返還を希望する場合は企業からの書面申請が必要。 |
(2)組合員費
企業の労働組合は、組合員から集めた組合員費の30%を、ハノイ市労働連盟に納付する必要がある。納付先は以下いずれかの銀行口座である。
・Vietinbank(ハノイ市支店)
・BIDV(ホアンキエム支店)
・Agribank(ハー・タイン支店)
3.企業が今から取り組むべき実務対応
新ルールへの対応は、企業の人事・経理部門にとって重要な管理業務となる。
以下の準備を早期に進めることが推奨される。
・自社の労働組合設立状況を踏まえた納付対象の確認と整理
・指定銀行口座の開設状況の確認(未開設の場合は早急な対応が必要)
・ハノイ市労働連盟との連絡体制
政令第12/2022/ND-CP号では、労働組合費に関する規定に違反した場合、行政違反の記録作成時点での未納額に対して24%から40%までの範囲で罰金が科されることが定められている。(※罰金の上限は150,000,000ドンまで)このような背景からも、企業は労働組合費について適切な管理と対応を講じる必要がある。今回のガイドラインはハノイ市の企業を対象としたものであり、他の地方に所在する企業については、所轄の労働連盟等に確認のうえ対応を進めることが望ましい。
参考文献:
・2024年労働組合法(2025年7月1日から施行)
・政令第12/2022/ND-CP号
・2025年6月30日付けハノイ市労働連盟のガイドライン第30/HD-LDLD号