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【税務】電子インボイスの運用および税務証明書に関する新ルールについて

2025/06/19

2025年6月から、インボイスや証憑に関する制度にいくつかの変更が加わる。これに対応する形で、ベトナム財務省は2025年5月31日付で通達第32/2025/TT-BTC号を公布し、企業実務に関わる新たなルールや対応事項を明確にした。以下に主なポイントを整理する。

1.電子商業インボイスの新形式の導入(第5条)
今回の通達では、電子商業で使用する専用インボイスの様式が新たに設定された。他のインボイスと区別するために、様式番号の先頭が「7」、記号の4文字目に「X」が使われる仕組みとなっている。具体的な記載例(参考様式)は、通達の付録IIIにある様式第4号で確認できる。

2.特定サービスにおける電子インボイス発行のタイミングに関するルール(第6条)
一部のサービス業について、電子インボイスの適切な発行のタイミングが明確化された。
対象となるサービスおよびルールは以下の通りである。

2.1 対象となるサービス
・ 業務用給食サービス(企業向けの食事提供など)
・ タクシーによる旅客運送サービス(顧客が企業または組織である場合)

2.2 インボイス発行のタイミング
・ 原則として、サービスの提供者と顧客との間で、提供内容や金額などのデータの照合が完了した時点となる。

ただし、次の期限を超えてはならない。
i.サービス提供月の翌月7日まで
ii.サービス提供契約などで定められた「規約期間」の終了日から7日以内

2.3 規約期間
サービスの提供数量を決めるための期間。提供者と顧客の合意により設定される。例えば、1か月単位での食事提供や定期的な送迎契約などが該当する。

3.個人所得税の源泉徴収証明書の電子発行ルール変更(第12条)
給与などから差し引かれる個人所得税(PIT)について、源泉徴収証明書の電子発行方式が変更される。2025年6月1日以降、旧制度(通達第78/2021/TT-BTC号)に基づく様式使用は停止され、新たに政令第70/2025/ND-CPに基づく新様式を使用する必要がある。新しい証明書の形式や記号の記載方法については、通達の付録IIで確認できる。

 

参考文献:
・通達第32/2025/TT-BTC号(2025年5月31日付)
・公文書第1591/CT-CS号(2025年6月5日付)