2020年12月号

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項 目

1.個人所得税

個人所得税申告に関する改正点(政令 126 2020 /ND CP 号)

概要
I 税務署に直接申告をする個人の場合

-賃金所得を得ているが、個人 所得税申告を会社経由ではなく個人で直接行っている場合は、月次申告又は四半期申告のいずれかを選択できる。第 8 条第 8 項 a 号、c 号

-2 か所以上から賃金 ・ 給与所得を得ている個人は、当人が直接申告を行っている場合も、会社が源泉徴収をしている場合も、その個人に対して年間で最多の賃金を支払った賃金支給者の管轄税務署に対し確定申告書類を提出しなければならない。 第 11 条第 7 項 b 1 号

-海外で不動産賃貸所得を得ている個人については、個人が居住している地域の管轄税務署に対し税務申告をしなければならない。(第 11 条第 6 項 g 号

2.法人税

2021年から適用される法人税の仮納付額(年間法人税額の 75 以上 を第 3 四半期申告までに納付)

概要
2020年 12 月 5 日より施行された政令 126 2020 /N D CP 第 8 条第 6 項 b 号 によると、会計年度の第 3 四半期法人税納付期限までに各企業が仮納付するべき法人税額は、当該会計年度の法人税確定申告において確定する法人税総額の 75 以上でなければならない。

第3 四半期分までの仮納付額が 75 に満たなかった場合には、追納する本税の差額分に加え、第 3 四半期の納付期日から差額分の納付日までの遅延利息も納めなければならない。

上記の規定は2021 年度より適用される。

なお、 法人税の四半期ごとの仮納付期限は、従来どおり各四半期末の翌月30 日までである。

参考文献
税務管理法 38 2019 /QH 14 第 55 条第 1 項、第 2 項
•政令 126 2020 /ND CP 第 8 条第 6 項 b 号
•2020 年 12 月 7 日付税務総局発行オフィシャルレター 5189 /TCT CS 号

3. 外国契約者税

データアクセス権に課される外国契約者税についての2020 年 11 月 23 日付ハノイ税務局発行オフィシャルレター 101317 /CTHN TTHT 号

概要
本オフィシャルレターによると、 外国企業がデータアクセス権提供取引から収入を得る場合、当該収入は外国契約者税の課税対象になる。

外国企業がベトナムで直接税務申告を行う条件を満たしていない場合、テータアクセス権に対する対価を支払うベトナム国内企業が 、外国企業に対する対価の支払い時に、外国契約者税額を控除する責任を負う。

-法人税部分:データアクセス権提供取引からの収入は 、外国契約者税にかかる通達 103 2014 /TT BTC 号第 7 条第 3 項に基づくロイヤリティからの収入と見なされる。 法人税部分税率は 10 である。
-付加価値税部分:外国企業が提供するデータアクセス権が技術移転 、知的財産 、またはソフトウェア製品/サービスに該当しない場合 、付加価値税の課税対象となる。付加価値税部分の税率は 5 である。

ハノイ税務局はベトナム国内企業に対し、 適切に外国契約者税を適用するため 、外国企業が提供するデータアクセス権が外国契約者税のどの分類に属するかについて 、科学技術、知的財産 、情報 ・ 通信に関し自社を管轄する当局に確認を取るよう要請している。

参考文献
•知的財産法第 50 2005 /QH 11 号第 14 条第 1 項 m 号および第 22 条第 2 項および同改正補足法第 36 2009 /QH 12 号 第 1 条第 5 項
•技術移転法第 07 2017 /QH 14 号第 4 条
•情報技術産業に関する情報技術法の一部条項の施行ガイダンス:
政令71 2007 /N D CP 号第 3 条
•付加価値税法の施行ガイダンス:通達第 219 2013 /TT BTC 号第 4 条 、第 11 条
•外国契約者税の施行ガイダンス:通達 103 2014 /TT BTC 第 1 条第 2 項 、
第 4 条第 3 項、第 7 条、第 8 条、第 11 条、第 12 条、第 13 条

4. 付加価値税

内部取引でVAT インボイスが使用されている場合の、付加価値税控除額算出に関する 2020 年 12 月 8 日付税務総局発行オフィシャルレター 5218 /TCT DNL 号

概要
本社と同じ市・ 省に従属支店を有する企業において、従属支店の VAT を本社で合算して申告する際の注意事項として、本オフィシャルレターは以下のとおり案内している。

当該企業が本社と従属支店、あるいは従属支店間等の取引 以下 「 内部取引 」 という の実績を評価するため 、VAT インボイスを使用し 、売上 ・費用を計上し 、これに対応する VAT を計算している場合は、仕入 VAT の控除額を売上構成比に基づき計算する際 、顧客から受領した売上ではない内部取引の売上を計算に含めてはならない。

また、仕入 VAT の控除額配賦の基礎となる仕入 VAT 合計額にも、内部売上高にかかる仕入 VAT 額を含めてはならない。

参考文献
• 通達 219 2013 /TT BTC 第 14 条第 2 項およびその改正 ・ 補足通達26 2015 /TT BTC 第 1 条第 9 項

5. その他(ライセンスフィー)

前年に資本金変更があった場合のライセンスフィー「申告」義務

概要
旧規定

通達302 2016 /TT BTC 号第 5 条 法令 139 2016 /NĐ CP 号の施行ガイダンス によると、製造 ・ 経営 ・ サービスの活動を行っている組織は事業活動を開始した月の最終日までにライセンスフィーを 1 回のみ申告すればよく、また、2017 年 4 月 4 日付税務総局のオフィシャルレター1279 /TCT CS 号 に基づき、販売、営業、サービスを行っている企業については定款資本金や総投資額 定款資本が定められていない支店や営業所等の場合 に変更があっても、ライセンスフィーの申告は不要であった。

新規定

2020年 12 月 5 日に施行された政令 126/2020/ND CP 号第 10 条により、次の場合がライセンスフィーの申告納付対象とされた。

-個人事業を除き 新規設立企業、または従属支店、営業所の新規設立があった企業、あるいは活動を開始した企業
納付期限:設立年又は生産・ 事業活動開始の翌年の 1 月 30 日

-前年度内の資本金に変更があった企業
納付期限:変更が生じた翌年の1 月 30 日

従って、 2020 年度に定款資本金や総投資額 定款資本が定められていない支店や営業所等の場合 の変更があった企業は、納付するライセンスフィーの額に変更が無い場合でも、2021 年 1 月 30 日までにライセンスフィーの申告書提出が必要となった。

申告書の提出遅延に対する罰金は、 2020 年 12 月 5 日以降最大 2 500 万ドンとなっている。

2021年のライセンスフィーの納付期限は 2021 年 1 月 30 日である。

5. その他(税務手続)

税務登録に関する2020 年 3 月 12 日付財務省発行通達 105 2020 /TT BTC 号

概要
本通達は財務機関に直接税務登録する納税者、 税務コードの構造、書類 、手続き、および税務登録フォームに関する詳細なガイダンスである。

旧規定から変更があった税務登録手続:

個人が外国法人又は外国個人事業主から給与所得を得ている場合、 税務登録に必要な書類は次のとおりである。
+申告フォーム 05 DK TCT
+ベトナム国籍を持つ者の場合、有効な身分証明書の写し。 外国籍の者又は海外在住のベトナム人の場合、有効なパスポートの写し
+雇用主が発行したベトナム赴任の任命書の写し

被扶養者登録書類
+委任状 給与支給元を通じて登録する場合
+税金登録申告書 20 D K TH TCT 給与支給元を通して登録する場合
またはフォーム 20 D K TCT 税務局に直接登録する場合
+被扶養者関連書類
-14 歳以上のベトナム国籍の被扶養者については有効な身分証明書の写し
-14 歳未満のベトナム国籍の被扶養者については出生証明書または有効なパスポートの写し
-外国人もしくは外国に滞在するベトナム人に対しては有効なパスポートの写し

5. その他(税務手続)

税務登録に関する2020 年 3 月 12 日付財務省発行通達 105 2020 /TT BTC 号

概要
納税者が以下の状態となった場合、 その納税者の税務登録情報が税務総局のウェブサイト上で開示されることとなった。

-納税者が事業を終了し、税務コード削除手続きを完了した。
-納税者が事業を終了したが、税務コードの削除手続きを完了していない。
-納税者が事業を一時停止している。
-納税者が登録された場所で事業を行なっていない。
-本通達とともに発行された通知 19 /TB D KT により 納税者の税務コードが回復した。
-納付者は税務登録に関する不正行為を行った。

通達105 2020 /TT BTC 号は 2021 年 1 月 17 日より有効となり、2016 年 6 月 28 日付通達 95 2016 /TT BTC 号と 2013 年 11 月 6 日付通達 156 2013 /TT BTC 号第 9 条は廃止される。

2021年 1 月 17 日以降、税務登録フォームが変更されるため 、本通達に添付されている付録を参考し、 適切なフォームを使用する必要がある。

5. その他(税務申告支援)

新規定に対応した税務総局の税務申告支援システムHTKK のアップグレード バージョン 4 5 0

概要
税務総局は2021 年 1 月 8 日に税務申告支援システムを HTKK 4 5 0 バージョンにアップグレードした。 本バージョンは 2020 年に施行 ・ 発令された 税務管理法政令 126 2020 /ND CP 号、関連者間取引を行う企業に対する税務管理政令 132 2020 /N D CP 号、および 2020 年法人所得税の軽減に関する政令114 2020 ND CP 号、ならびに国会常任委員会における行政単位にかかる決議等で定められた規定に適合するものとなっている。

1.政令 126 2020 /N D CP 号に対応
-追加申告書の提出日は、対象となる確定申告の提出後であれば、確定申告提出期限を待たずに提出できるとされた。 これまでは、確定申告の追加申告書は、確定申告提出期限より後に提出しなければならなかった。
-追加申告書の提出期限は、確定申告の提出期限の 10 年後までである。

2.政令 132 2020 /ND CP 号に対応
-2020 年度以降の課税期間について、03 /TNDN 申告書とともに付録 01 、02、03、04 が追 加された。

3.2020 年 9 月 25 日付政令 114 2020 /N D CP 号に対応
-2020 年度の課税期間について、政令 114 2020 /N D CP 号に規定された02 /TNDN、03 /TNDN、04 /TNDN 申告書とともに法人所得税減税申請に使用する付録が追加された。

4.行政地区変更の更新
-Kien Giang 省 Phu Quoc 県は Kien Giang 省 Phu Quoc 市に改名された。
-2 区、9 区、Thu Duc 区は合併し、ホーチミン市に付属する Thu Duc 市とされた。

2021年 1 月 9 日以降、上記に関わる申告書作成にあたっては 、この HTKK 4 5 0 バージョンを利用することが規定された。