2020年4月号

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項 目

1. インボイス

インボイスの顧客用控え(Copy2)に記載された文字が不明瞭な場合の取り扱いに関する2020年1月7日付ホーチミン市税務発行オフィシャルレター114/CT-TTHT号

本オフィシャルレターによると、会社(売り手)が複写式VATインボイスを発行した場合、顧客用控え(Copy2)に記入された数字が不明瞭で判読できないときは、そのインボイスは破損したものとして処理しなければならない。具体的には以下のとおりである。
- 会社(売り手)と購入者(インボイスの受領者)とで状況確認記録書を作成し、インボイスを破損させた当事者を確定する。
- 会社(売り手)は署名・押印付きのインボイスのオリジナルのコピー版に、インボイスの顧客用控え(Copy 2)、および状況確認記録書を添付して、会計計上および税務申告を実施する。
- インボイスを破損させた当事者はフォームBC21/AC を作成し直接管理税務局へ提出しなければならない。

顧客に記念品を渡す際のインボイスの取り扱いを示した2020年4月7日付ホーチミン市税務局発行オフィシャルレター3522/CT-TTHT号

本オフィシャルレターによると、会社が事業活動の一環で顧客や社員に記念品を渡す場合、顧客等からインボイスが不要と言われたときは、会社はその日に渡した記念品の分をまとめて、一通の インボイスを発行することができる。インボイスには、記念品の種類、総額を記載し、記念品を受取った顧客の詳細リストを添付する。
ただし、上記対応は紙インボイスの場合のみ可能であり、電子インボイスを使用している企業の場合は適用できない。

2. 法人税

福利厚生費の損金計上に関する2020年4月7日付ホーチミン市税務発行オフィシャルレター3531/CT-TTHT号

本オフィシャルレターによると、会社が労働者に食べ物の提供、忘年会、クリスマスパーティーなどの福利厚生給付をおこなう場合、26/2015/TT-BTC 号第1条第10項に定められた付加価値税控除の条件を満たし、通達96/2015/TT-BTC 号第4条に定められた法人税計算における損金計上の条件を満たしており、かつ当該福利厚生総費が課税年度内の平均月給を超えないのであれば、事業活動用の商品・サービスの仕入VATを控除でき、法人税法上も損金計上できる。

労働許可書を持っていない外国人の費用に関する2020年4月23日付ハノイ市税務局発行オフィシャルレター26515/CT-TTHT号

本オフィシャルレターによると、会社がベトナム国内で実施する業務に外国人労働者を就業させる場合、労働法の規定により管轄機関が発行する労働許可書を取得しなければならない。従って、外国人労働者が労働許可書を持っていない場合、当該労働者に対して支払われた金銭は法人税上の損金計上できず、仕入VATも控除できない
ただし、外国人労働者が労働許可書が必要ない営業、情報、建設、配達、教育、環境、財務、医療、観光、娯楽文化および運送などの11業界(ベトナムとWTOの契約)であって、会社内異動者に該当する場合、当該費用は通達96/2015/TT-BTC 号、通達219/2013/TT-BTC 号、通達25/2015/TT-BTC号、通達 173/2016/TT-BTC 号に規定された各要件を満たせれば、法人税の計算にあたって損金として計上でき、仕入VATの控除も認められる。

3. 付加価値税

ベトナム企業が売買した商品がベトナム国外から直接ベトナム国外の別の場所に配送された場合の、付加価値税0%適用条件に関する2020年4月29日付ハノイ市税務局発行オフィシャルレター28547/CT-TTHT号

通達219/2013/TT-BTC 号および政令209/2013/NĐ-CP 号によると、会社がベトナム国外で購入した商品を別の企業に売却し、商品自体もベトナム国外から直接ベトナム国外の別の場所に配送される場合に、付加価値税率0%を適用するためには、以下の書類を準備する必要がある。
- 商品の売り手(海外の法人)との購入契約書
- 商品購入者との商品販売契約書
- 国際慣行に則ったコマーシャルインボイス、船荷証券、パッキングリスト、原産地証明書など、商品を国外で授受されたことを裏付ける証憑
- 当該会社による購入および販売の各取引についての銀行証憑

4. その他

納税延期、土地賃貸料の納付猶予に関する政令41/2020/NĐ-CP号

政府は、納税延期、土地賃貸料の納付猶予に関する政令41/2020/ND-CP号を発行した。Covid-19 により影響を受けた以下の業種に属する企業は本政令の適用を受けられる。
- 農林水産業、各種消費財・生産財の製造加工業、建設業
- 運送・倉庫業、宿泊業、飲食業、教育訓練業、不動産、雇用、ツアーなどのサービス業
- 優先支援裾野産業に分類される製品や主要電子製品の製造業
- 小企業・零細企業
- Covid-19 の影響を受けた企業に対して支援を行う金融機関、外国銀行の支店
(本政令第3条に記載された猶予の実施概要は、以下のとおり)
上記の対象企業・事業者についての納付延期は以下のとおり実施する。
- 付加価値税: 月次申告者の3月、4月、5月、6月の納付期限および四半期申告主体の第1、2四半期の納付期限について、各5ヶ月延期を認める。
- 法人税:2019年法人税確定申告の未払納税および2020年第1、2四半期の法人税納付期限について、各5ヶ月延期を認める。
適用を希望する納税者は、遅くとも2020年7月30日までに本政令に付属するフォーム「納税期限延期申請書」を作成し、管轄の税務局にオンライン、郵送または直接窓口で提出する必要がある。
適用を希望する納税者は、本政令にもとづき納税期限延期申請書に関する責任を負う。
本政令は2020年4月8日より施行される。

Covid-19の影響を受けた事業の困難緩和策に関する政府の提案について

人民や企業コミュニティが直面している困難を緩和し、Covid-19による影響を最小限に抑えることを手助けし、人々の生命と健康を確保するとともに、安全と秩序を維持し、社会経済開発の取り組みを実行するため、政府は以下のような事業生産の困難を取り除くための解決策についての決議を提案した。
- 個人所得税の扶養家族控除額の調整
- 中小企業に対する2020年度法人税の50%減税
- 製造の投入コストを削減する為に困難に直面するサービス・商品、原材料に対するVAT率の免税または50%減税(現在10%)
- 2020年の課税期間に適用される企業、個人事業に対する法人税、個人所得税の一時的減免。
- Covid-19により直接多大な影響を受けた航空、観光などの産業に対する2020年のVAT還付。
- 2019年の法人税、付加価値税、個人所得税、土地賃貸料の納税期限の1年延期(政令41/2020/ND-CPでは5ヶ月延期をみとめているが、更なる延期を認める趣旨)。
- 一部の輸出税の納付期限について最大5ヶ月まで(2020年第2四半期末まで)の延長を検討する。いくつかの商品分類に対して政府が決定した関税率を直ちに見直し調整する。
- 政令20/2017/ND-CP号第8条第3項において、EBITの20%を超える支払利息が損金不算入とされているが、当該上限を30%とする改正案が検討されている。当該改正案が可決した場合は、2017年から2018年にかけて損金不算入とされた利息費用にかかる法人税部分は、将来5年間に渡って発生する法人税額と相殺することが可能となる見込みである。