2011年6月29日号

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項 目

1. 法人税(CIT)

1.
一人有限会社の社長の報酬及び給与の損金算入に関する2011年5月23日付税務総局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 1744/TCT-CS号

本オフィシャルレターの指導によると、個人ではなく組織による出資形態の一人有限会社の社長に、法律の規定通りに支払われた報酬及び給与は損金算入可能であるとのこと。

2. 個人所得税(PIT)

1.
個人所得税控除の控除対象の指導に関する2011年6月8日付財務省発行の通達Circular 78/2011/TT-BTC号

本通達は、個人所得税控除対象に関する追加指導を規定している。本通達によると、企業が労働者もしくは労働者の親族(父、母、配偶者、子、及び法的に認められた養子)への難病診断・治療手当に対する医療費補助金を税引後利益、福利引当金、又は賞与引当金から拠出している場合、当該補助金は受給者の個人所得税の課税対象にならないとのことである。

難病診断・治療手当は、労働者もしくは労働者の親族の難病診断と治療費(治療保健機関が負担した額を控除した金額)を超えてはならない。上記ケースの場合、企業は関連証憑を取得し、保管する必要がある。

この場合の企業とは、ベトナムの国内法及び外国法に従って設立された会社のことである。

本通達は、2011年7月22日より有効となる。

2.
個人所得税の課税所得のベトナムドン換算に使用する為替レートに関する2011年5月24日付ホーチミン市税務局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 4339/CT-TTHT号

本オフィシャルレターは、通達Circular 84/2008/TT-BTC号に従い、個人所得税の課税所得の換算に使用する為替レートについてさらに規定している。本オフィシャルレターによると、個人所得税の課税所得はベトナムドンで計算しなければならない。仮に外貨による収入で課税所得を計算していた場合、取引日の銀行間為替レートを適用しベトナムドンに換算しなおさなければならない。ベトナム中央銀行がベトナムドンとUSドルの銀行間為替レートしか発表していない場合、その他の外貨については、企業は取引日におけるベトナム中央銀行が発表した輸出入時の計算に使用されたクロス・レート(既にベトナムドンとUSドルの銀行間為替レートに換算済)を基に換算しなければならない。

3.
新株引受権譲渡の個人所得税に関する2011年5月20日付税務総局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 1724/TCT–TNCN号

本オフィシャルレターによると、税務総局は明確に税金の課税とは、収益獲得のための諸活動に対して行う性質を有していると述べた。つまり、新株引受権の譲渡による収益と価格の異なる株式の譲渡差益による収益は本質的には、同等である。従って本オフィシャルレターでは、新株引受権の譲渡行為を株式の譲渡と同等であるとみなしており、そのため新株引受権の譲渡から獲得した譲渡所得は株式の譲渡による法規に従い、個人所得税の課税対象となる。新株引受権を譲渡した場合の譲渡所得については、譲渡価格の0.1%もしくは利益の20%が課税率として適用され計算される。

3. 付加価値税(VAT)

1.
新規設立で正式稼働前の企業の仕入付加価値税の還付に関する2011年5月16日付税務総局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 1652/TCT-CS号

本オフィシャルレターによると、新規設立であり正式稼働前の企業の場合、以下の要件を満たせば仕入付加価値税の還付は可能である。

  • 控除方法により付加価値税を納付する。
  • 稼働準備期間が1年以上、もしくは稼働準備期間中に購入する商品・サービスの仕入付加価値税の累積額(土地賃貸費の付加価値税も含む)が2億ベトナムドン(1千米ドル相当)以上である。
2.
輸出向け製品製造用の輸入原材料及び消耗品が国内で販売される場合の付加価値税に関する2011年5月17日付税関総局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 2242/TCHQ-TXNK号

本オフィシャルレターによると、輸出向け製品製造用の輸入原材料及び消耗品もしくは一時輸入し再輸出する形態の商品が国内に販売される場合、輸入目的の変更をしたとみなされ、遡って付加価値税を申告・納付しなければならない(輸入の際に免税されている場合)。なお、2010年12月6日付財務省発行の通達Circular 194/2010/TT-BTC号の附録VIの添付書式01号に従って申告する必要がある。

3.
支店の付加価値税申告の規定に関する2011年6月9日付税務総局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 1958/TCT-KK号

本オフィシャルレターによると、管理当局から営業許可を受けた関連支店等は、その支店を管轄する所管の税務局に付加価値税の申告納税を行わなければならない。しかし関連支店等が直接販売を行わず、売上高が発生しない場合、付加価値税の申告納税は本社でまとめて行うことが可能である。

4. 外国契約者税(FCT)

1.
保税倉庫を通じて行う商品取引の外国契約者税の規定に関する2011年5月23日付税務局発行オフィシャルレターOfficial Letter 1749/TCT-CS号

外国法の基に設立された外国法人が、借用した保税倉庫に商品を保管してベトナム国内企業に販売する場合について、税務総局は以下の規定を定めた。

仮に外国法人が、商品を海外の仕入先から購入し、ベトナム国内企業へ直接販売するための保管目的だけで保税倉庫を借用した場合、この外国法人はベトナムに恒久的施設を有しているとみなされない。

取引所、従業員又はベトナム国内の他の外国法人等を通じて保税倉庫からベトナム国内企業へ商品を販売する場合、若しくはベトナム国内において他の外国企業とサービス契約を結んで保税倉庫から商品を販売する場合、当該外国法人は、ベトナムに恒久的施設を有しているとみなされる。

従って、外国法人がベトナム国内で保税倉庫を利用して商品取引を行う場合、通達Circular 134/2008/TT-BTC号及び通達Circular 197/2009/TT-BTC号の税務規定に従う必要がある。

加えて、外国法人は保税倉庫を通じて商品取引を行う場合、商品の輸出入及びその商品が保税倉庫を通じて輸出入可能な商品であるかにつき、ベトナムの法律を遵守しなければならない。

2.
人材を派遣するサービスに関する外国契約者税について2011年5月20日付税務局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 1729/TCT-CS号

本オフィシャルレターによると、企業が投資家(ベトナムにおいて法人格を持たない外国組織)と人材を派遣するサービス契約を締結し、ベトナムに派遣される専門家に直接、賃金及び給料を支払わないケースの場合、企業の投資家に対する支払いは、ベトナムで働いている専門家の関連費用として専門家のベトナムでの生活費(保障費用)も含めて外国契約者税の計算対象となる。加えて当該契約に合意の基、ベトナムで働く専門家は個人所得税の法律に従い、個人所得税を納めなければならない。

5. インボイス及び会計証憑

1.
提示したサンプルインボイスを無断で取り下げた場合の行政処分に関する2011年5月13日付税務総局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 1625/TCT-CS号

本オフィシャルレターによると 通達Circular 153/2010/TT-BTC号に従って、企業は商品販売拠点にインボイス発行通知書とインボイスのサンプルを提示する必要がある。従って企業はサンプルインボイスを無断で取り下げを行った場合、政令Decree 51/2010/ND-CP号の第31条第1項ポイントbに従い行政手続き違反による罰金(100万ドン~500万ドン(50ドル~250ドル相当))が科される。

2.
企業名変更後に同一の税コードで旧企業名が印字されたインボイスの継続使用に関する2011年5月26日付税務総局発行のオフィシャルレターOfficial Letter 1817/TCT-CS号

本オフィシャルレターによると、企業が企業名を変更した場合であっても、同一の税コードで既に発行したインボイス、もしくは既に税務局から購入しているインボイスについて、旧企業名が記載されたインボイスの継続使用が可能であるとのことである。但し、その場合は新しい企業名を旧企業名の横に記載する必要がある。

また、税務局から購入したインボイスのうち2011年3月31日までに未使用のインボイスについては、通達Circular 153/2010/TT-BTC号の第27条の指導に従い、処分を行わなければならない。

3.
現地引渡輸出の場合のインボイスに関する2011年5月16日付財務省発行のオフィシャルレターOfficial Letter 6282/BTC-TCT号

本オフィシャルレターは、現地引渡輸出の場合のインボイスに関して以下の通り指導した(現地引渡輸出とは、ベトナム企業が外国企業と輸出契約を締結するが、当該外国企業に輸出せずに、当該外国企業指定のベトナム企業に搬入することである)。

  • 2011年1月1日より前:現地引渡輸出を行う企業が税関手続きを実施する際、VATインボイスを利用しなければならない。
  • 2011年1月1日以降:現地引渡輸出を行う企業が税関手続きを実施する際、VATインボイスまたは輸出インボイスを利用することが可能である。

6. その他

1.
ハノイにおける輸出加工区・工業団地における外国企業の駐在員事務所設立許可の発行機関に関する2011年5月19日付ハノイ人民委員会発行の決定Decision 17/2011/QD-UBND号

本決定によると、2011年5月29日以降ハノイの輸出加工区・工業団地における外国企業の駐在員事務所設立に伴う許可、再交付、改正、追加、延長及び取消は、ハノイの輸出加工区・工業団地管理委員会が管轄することになった。現行の規定では、ハノイ商工局が管轄責任を負っている。

2.
会計に関する行政処分の罰金増額に関する政令Decree 185/2004/ND-CP号を修正・追加する2011年5月26日付政府発行の政令 Decree 39/2011/ND-CP号

本政令の修正・追加点は、以下に示す罰金額に関する変更点が案内されている。

会計証憑に関する違反行為に対する行政処分罰金

  • 以下の違反行為に対して20万ドン~200万ドン(10米ドル~100米ドル相当)の罰金が科される。
    • 法令規定に定められる項目が不十分な証憑の作成
    • 証憑の内容の不適切な削除もしくは修正
  • 以下の違反行為に対して200万ドン~1000万ドン(100米ドル~500米ドル相当)の罰金が科される。
    • 法令規定に定められる証憑の部数に不足がある
    • 署名権限のない者が証憑に署名する
    • 公式インボイスを作成したが、買主に渡さない
  • 以下の違反行為に対して1000万ドン~3000万ドン(500米ドル~1500米ドル相当)の罰金が科される。
    • 証憑の偽造
    • 同一の綴りで内容が異なる証憑の作成
    • 取引が発生するが証憑を作成しない
    • 一件の取引に関して故意に複数の証憑を作成する
    • 証憑の破棄

決算報告書に関する違反行為に対する行政処分の罰金

  • 以下の違反行為に対して1500万ドン~3000万ドン(750米ドル~1500米ドル相当)が科される。
    • 管轄機関への決算報告書の提出期限を3カ月以上遅延する。
    • 会計帳簿上の情報および証憑に適合しない決算報告書を作成する
    • 決算報告書の偽造
    • 監査報告書を添付しないで決算報告書のみを提出する(監査報告書が求められる企業の場合)

本政令は、2011年8月1日より有効となる。

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FCT Foreign Contractor Tax
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